横断幕を作りたいけれど、「どんな生地を選べばいいのか」「サイズはどのくらいが適切なのか」「デザインはどうすれば目立つのか」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、横断幕の基本から素材やサイズの選び方、さらにはデザインのコツまでをわかりやすくご紹介いたします。幅広く解説しておりますので、きっと横断幕作りのヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
そもそも横断幕とは?メリットや基本を解説
この章では、横断幕の基本的な知識や、似ている幕との違い、そして活用することで得られるさまざまなメリットについて詳しく解説します。
そもそも横断幕とは?似ている懸垂幕(垂れ幕)とのちがい
横断幕とは、布やビニール製の生地に文字やイラストなどを印刷し、横長に掲示する幕のことです。
主に建物の壁面やフェンス、スタジアムの観客席などにロープで固定して設置されます。チームのスローガンや応援メッセージ、イベント名、セール情報などを大きく表示し、多くの人々の注目を集める目的で使用されます。
一方、横断幕とよく混同されがちなものに「懸垂幕(けんすいまく)」や「垂れ幕(たれまく)」があります。これらは縦長に掲示する幕を指し、主にデパートの壁面やビルの窓から吊り下げて使用されます。形状と設置方法に明確な違いがあり、用途に応じて使い分けられています。
注目度アップ!横断幕を活用するメリットとは?
横断幕を効果的に活用することで、多くのメリットが得られます。まず大きな魅力は、遠くからでも目立つ視認性の高さです。大きなサイズで製作できるため、広い会場や交通量の多い場所でも情報をしっかり伝えられ、強い印象を残せます。
また、メッセージをシンプルかつ力強く表現できる点も特長です。チーム名やスローガンを大きく配置すれば瞬時に伝わり、写真やイラストを組み合わせれば訴求力はさらに高まります。加えて、スポーツや学校行事では一体感や士気を高める役割を担い、団結力やモチベーション向上にもつながります。
さらに、看板などの常設広告と比べて設置・撤去が容易で繰り返し使える利便性も見逃せません。耐久性のある素材を選べば屋外でも活用でき、コストパフォーマンスにも優れています。
横断幕の作り方は2種類!手づくりと業者依頼を比較
横断幕を作る方法は、大きく分けて「印刷業者に依頼する」方法と「手作り(自作)する」方法の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、目的や予算、使用期間などを考慮して最適な方法を選びましょう。
ここでは、それぞれの特徴を詳しく比較・解説します。
印刷業者に依頼して横断幕を作るメリットとデメリット
プロの印刷業者に依頼する方法は、高品質で耐久性の高い横断幕を求める場合に最も一般的な選択肢です。特に屋外での常設や、公式なイベント、長期間使用する応援幕などには業者への依頼が適しています。
メリット
- 高い品質と耐久性:雨風に強いターポリンなど、プロ仕様の丈夫な生地を選べます。印刷も鮮明で、長期間美しい状態を保てます。
- 手間がかからない:デザインデータを入稿するだけで、印刷からハトメ加工などの後処理まで一貫して任せられます。デザイン制作を依頼できる業者もあります。
- 仕上がりが美しい:専門の機材と技術で製作されるため、見栄えが良く、信頼性が求められる場面でも安心して使用できます。
- 豊富な選択肢:生地の種類、サイズ、加工方法などを自由に組み合わせられ、用途に最適な仕様を選べます。
デメリット
- コストがかかる:手作りに比べると、製作費用が高くなります。サイズや生地、加工によって価格は変動します。
- 納期が必要:注文から納品までには、通常数日から1週間程度の製作期間が必要です。急ぎの場合は特急料金が発生することもあります。
- デザインの制約:多くの場合、Adobe Illustratorなどの専用ソフトで作成したデザインデータが必要となり、データの形式に指定があります。
手作り(自作)で横断幕を作るメリットとデメリット
文化祭や体育祭、部活動の応援など、一時的な使用や手作りならではの温かみを重視したい場合には、自作も選択肢の一つです。身近な材料を使って、コストを抑えながらオリジナリティあふれる横断幕を作ることができます。
メリット
- 費用を安く抑えられる:布や紙、ペンキなどの材料費だけで済むため、非常に低コストで作成可能です。
- すぐに作成できる:材料さえ揃えれば、思い立ったその日に作り始めることができます。急なイベントにも対応しやすいです。
- 温かみのある仕上がり:手書きの文字やイラストには、印刷にはない独特の味わいや温かみが生まれます。仲間との共同作業も良い思い出になります。
- 自由度が高い:デザインやレイアウト、素材の組み合わせなど、すべてを自分たちのアイデアで自由に決められます。
デメリット
- 耐久性が低い:紙や一般的な布は水濡れや引き裂きに弱く、屋外での長期間の使用には向きません。
- 手間と時間がかかる:デザイン考案から材料の買い出し、裁断、文字入れ、縫製など、すべての工程に多くの時間と労力が必要です。
- クオリティの限界:プロの仕上がりに比べると、見栄えや強度の面で劣ることがあります。特に大きなサイズを均一に美しく作るのは困難です。
定番はこれ!横断幕に使われる素材と特徴を解説
横断幕を制作する上で、最も重要な要素の一つが「素材(生地)選び」です。設置場所や用途、使用期間によって最適な素材は大きく異なります。
ここでは、手作りする場合と業者に依頼する場合、それぞれに適した定番の素材とその特徴を詳しく解説します。
手作りするならこれ!紙・布など身近に使える素材
文化祭や体育祭、仲間内のイベントなどで一時的に使用する横断幕であれば、身近な材料で手作り(自作)することも可能です。コストを抑えたい場合に適していますが、耐久性や耐水性は業者製のものに劣るため、使用シーンをよく考えて選びましょう。
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素材 |
特徴 |
メリット |
デメリット |
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紙(模造紙など) |
文房具店などで手軽に入手できる。ポスターカラーやマーカーで文字や絵を描きやすい。 |
・非常に安価 ・加工が簡単 |
・雨や湿気に非常に弱い ・破れやすく耐久性がない |
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布(綿、シーチングなど) |
手芸店などで購入できる一般的な布生地。アクリル絵の具などを使えば着色も可能。 |
・紙よりは丈夫 ・温かみのある風合い |
・雨に濡れると重くなる ・インクがにじみやすい ・風でなびきすぎて文字が見えにくいことがある |
業者依頼ならこれ!用途別にえらぶ定番素材とは
印刷業者に依頼する場合、プロ仕様の専用生地から選ぶことができます。インクの発色も良く、耐久性や耐候性に優れているため、屋外での長期利用や本格的な応援幕、広告幕に最適です。ここでは代表的な3つの素材をご紹介します。
屋外常設なら定番の「ターポリン」
ターポリンは、丈夫なビニール系の生地です。雨風に強く、耐久性・耐水性に非常に優れているため、屋外に常設する横断幕の素材として最も広く使われています。テント生地をイメージすると分かりやすいでしょう。汚れにも強く、長期間美しい状態を保つことができます。スポーツの応援幕から建設現場の足場シート、店舗の看板幕まで幅広く活躍します。
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屋内や持ち運びには「トロマット」
トロマットは、ポリエステル100%の布生地です。ターポリンと比べて非常に軽量でしなやかなため、折りたたんで手軽に持ち運べるのが最大の特長です。シワになりにくく、屋内での使用に最適です。発色が良く、写真や細かいデザインもきれいに印刷できるため、展示会や学会のブース装飾、店舗内のタペストリー、記念撮影用のバックボードなどに向いています。応援幕として試合会場に持ち込む際にも便利です。
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風の強い場所には「メッシュターポリン」
メッシュターポリンは、その名の通り、ターポリン生地全体に小さな穴が無数に開いたメッシュ状の素材です。この穴から風が通り抜けるため、風の抵抗を大幅に軽減できます。ビル壁面やフェンス、工事現場の足場など、風の影響を強く受ける高所や広い場所に大型の横断幕を設置する場合に最適です。風によるバタつきや幕の破損リスクを抑え、安全性を高めることができます。通常のターポリンより軽いのも利点です。
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素材名 |
主な特徴 |
おすすめの用途 |
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ターポリン |
ビニール系生地で、耐久性・耐水性が高い。丈夫で汚れにくい。 |
屋外での常設、スポーツの応援、店舗の看板、工事現場など |
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トロマット |
軽量な布生地で、折りたたんで持ち運びやすい。発色が良い。 |
屋内イベント、展示会、学会、店舗内の装飾、持ち運び用の応援幕など |
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メッシュターポリン |
無数の穴で風を逃がす構造。風圧に強く、比較的軽量。 |
高所、ビルの壁面、フェンスなど風の強い場所への設置 |
【用途別】横断幕におすすめのサイズの目安!
横断幕には決まった規格サイズはありませんが、用途ごとに一般的な寸法の目安が存在します。ここでは、代表的な3つのシーン別に、おすすめのサイズとその特徴を解説します。
学校行事や部活動に!応援横断幕の定番サイズ
体育祭や文化祭、部活動の試合などでチームの士気を高める応援用横断幕は、生徒たちが持ち運ぶ場面も多いため、携帯性と視認性のバランスが重要です。設置する場所(フェンス、体育館の壁、手持ちなど)を想定してサイズを決めましょう。
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設置場所・用途 |
一般的なサイズ(縦 × 横) |
特徴 |
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手持ちでの応援 |
縦90cm × 横120cm ~ 縦120cm × 横180cm |
少人数でも扱いやすく、応援に一体感が生まれます。スタンド席でも広げやすい大きさです。 |
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サッカー・野球などのフェンス設置 |
縦120cm × 横240cm ~ 縦120cm × 横360cm |
グラウンドのフェンスに設置するのに適した、横長の定番サイズです。チーム名やスローガンがよく映えます。 |
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体育館の壁面・通路 |
縦120cm × 横400cm ~ 縦120cm × 横500cm |
体育館の2階席の手すりや壁面に掲示するのに最適です。遠くからでも選手を鼓舞できます。 |
スポーツイベントや展示会に最適!インパクト重視の大型サイズ
プロスポーツの試合会場や大規模な展示会、コンサートホールなど、広い空間で多くの人の注目を集めるためには、インパクトのある大型サイズが効果的です。遠くからでもはっきりと認識できる視認性の高さを最優先に考えましょう。
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設置場所・用途 |
一般的なサイズ(縦 × 横) |
特徴 |
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展示会ブースの上部 |
縦90cm × 横360cm ~ 縦120cm × 横540cm |
ブースの横幅いっぱいに設置することで、遠くからでも企業名やキャッチコピーをアピールでき、集客につながります。 |
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スタジアム・アリーナの壁面 |
縦180cm × 横540cm ~ 縦240cm × 横1000cm |
会場の広さに負けない迫力で、イベントの雰囲気やブランドイメージを効果的に演出できる特大サイズです。 |
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記者会見・インタビューの背景 |
縦180cm × 横240cm ~ 縦240cm × 横360cm |
スポンサーロゴやイベント名を背景に入れることで、メディア露出の効果を高めます。バックボードとも呼ばれます。 |
店舗やキャンペーンに使える!宣伝向け横断幕のサイズ目安
店舗の壁面や店頭で、セール情報や新商品の告知に使う宣伝用の横断幕は、通行人の視線を引きつけることが目的です。設置スペースの寸法を正確に測り、伝えたい情報が瞬時に伝わるサイズを選ぶことが重要です。
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設置場所・用途 |
一般的なサイズ(縦 × 横) |
特徴 |
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店舗の壁面・ファサード |
縦90cm × 横300cm ~ 縦180cm × 横500cm |
建物の壁面や窓の上などに設置し、看板としての役割を果たします。遠くの道路からでも店舗の存在をアピールできます。 |
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店頭でのセール・キャンペーン告知 |
縦60cm × 横180cm ~ 縦90cm × 横240cm |
のぼり旗よりも多くの情報を掲載でき、歩行者の目線の高さに設置することで高い訴求効果が期待できます。 |
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ショッピングモールの吹き抜け・通路 |
縦120cm × 横240cm ~ 縦180cm × 横360cm |
多くの人が行き交う場所でイベントやフェアの告知に最適です。空間を有効活用し、賑わいを演出します。 |
ここで紹介したサイズはあくまで一般的な目安です。最終的には、横断幕を設置する場所の寸法をメジャーなどで正確に測定し、周囲の景観や伝えたいメッセージの文字数なども考慮して、最適なサイズを決定してください。
初心者でも失敗しない!横断幕デザイン3つのコツ
ここでは、デザイン初心者の方でも失敗しないための3つの基本的なコツをご紹介します。これらのポイントを押さえるだけで、プロが作ったような横断幕に仕上がります。
遠くからでも視認性の高いフォントと文字サイズ
横断幕のデザインで最も重要な要素が「文字」です。設置場所から見る人までの距離を想定し、誰にでもはっきりと読めるフォントとサイズを選びましょう。
フォントは、線が太く装飾の少ない「ゴシック体」が基本です。ヒラギノ角ゴやメイリオといったパソコンに標準で入っているフォントでも、太字(ボールド)にすれば十分な視認性を確保できます。逆に、明朝体やデザイン性の高い筆記体は、線が細く潰れて見える可能性があるため、遠くから見る横断幕にはあまり適していません。
文字のサイズは、見る人との距離によって最適な大きさが変わります。以下の表を目安に、設置環境に合わせて調整してください。
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見る人との距離 |
推奨される文字の高さ(一辺) |
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10m |
5cm以上 |
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30m |
15cm以上 |
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50m |
25cm以上 |
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100m |
50cm以上 |
これはあくまで目安です。文字数が多くなれば、一つひとつの文字は小さくなります。伝えたいメッセージを絞り込み、できるだけ大きな文字でレイアウトすることが大切です。
テーマカラーを決めて統一感を出す配色テクニック
配色は横断幕全体の印象を決定づける重要な要素です。テーマや目的に合わせて色を選び、視認性を高める色の組み合わせを意識しましょう。
デザインに使う色は、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色程度に絞ると、全体に統一感が生まれて洗練された印象になります。スポーツチームの応援ならチームカラーを、セールの告知なら情熱的な赤や黄色をメインに使うなど、伝えたい内容に合った色を選ぶのが基本です。
最も大切なのは、背景色と文字色のコントラスト(明度差)です。背景と文字が似たような色だと、文字が背景に溶け込んでしまい、内容が全く読めなくなってしまいます。以下の視認性が高い色の組み合わせ例を参考にしてください。
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背景色 |
文字色 |
与える印象・おすすめの用途 |
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白 |
黒・紺・赤 |
最も基本的で可読性が高い。あらゆる用途におすすめ。 |
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紺 |
白・黄 |
落ち着きと信頼感。黄文字は特に視認性が高く目立つ。 |
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黒 |
白・黄・金 |
高級感や力強さを演出。イベントやスポーツ応援に最適。 |
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赤 |
白・黄 |
情熱的で目を引く。セールや応援幕、注意喚起に。 |
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黄 |
黒・紺 |
明るく活発な印象。注意を引く効果が非常に高い。 |
逆に、黄色の背景に白文字、水色の背景にグレー文字といった淡い色同士の組み合わせは、視認性が著しく低下するため避けましょう。
伝えたいメッセージはシンプルかつ大胆に!
横断幕を見る人は、車で通り過ぎたり、試合に集中していたりするなど、じっくりと読む時間がない場合がほとんどです。そのため、伝えたいメッセージは可能な限り絞り込み、一瞬で理解できる言葉を選ぶ必要があります。
「誰に、何を一番伝えたいのか」を考え、キャッチコピーとなるキーワードを決めましょう。例えば、応援幕であれば「必勝!〇〇高校」、飲食店のキャンペーンであれば「絶品!からあげ弁当」のように、最も重要な情報だけを大きく配置するのがセオリーです。
レイアウトを組む際は、以下の点を意識すると効果的です。
- キーワードを中央に大きく配置する: 人間の視線は自然と中央に集まります。一番伝えたい言葉は、ためらわずに大きく、中央に配置しましょう。
- 文字の大きさに差をつける: すべての文字を同じ大きさにするのではなく、キーワードを一番大きく、補足情報は小さくするなど、文字サイズにメリハリ(ジャンプ率)をつけることで、情報の優先順位が伝わりやすくなります。
- 余白を活かす:情報を詰め込みすぎると、窮屈で読みにくい印象を与えます。文字や図形の周りに適度な余白を設けることで、メッセージが際立ち、全体がすっきりと見やすくなります。
伝えたいことが多い場合でも、情報を詰め込むのは逆効果です。横断幕は「詳細を伝える」のではなく「興味を引く」ためのツールと割り切り、シンプルで大胆なデザインを心がけましょう。
まとめ
本記事では、横断幕の作り方を「素材」「サイズ」「デザイン」の3つの視点から解説いたしました。横断幕作りで大切なのは、まず「どの場面で・どんな目的で使うのか」を明確にすることです。その上で、屋外ならターポリン、屋内ならトロマットといった適切な素材を選び、サイズや文字の見やすさに配慮すれば、初めての方でも失敗なく仕上げることができます。
横断幕の購入をご検討中の方や、デザイン・設置についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたの理想に合ったご提案や製作を、専門スタッフが丁寧にサポートします。

