「横断幕を縦向きで使いたいけれど、どんなサイズや素材を選べばいいのかわからない…」そんなお悩みはありませんか?実は、縦型の横断幕(懸垂幕・垂れ幕)は、設置場所や目的に合った設計をすることで、見た人の目にしっかり届く効果的なツールになります。
この記事では、サイズの決め方からおすすめの生地、視認性を高めるデザインのコツ、さらには注文から設置までの手順まで、わかりやすく丁寧に解説いたします。
縦向きの横断幕とは?懸垂幕や垂れ幕の基本
「横断幕」と聞くと、左右に長い布をイメージする方が多いかもしれません。しかし、スポーツの応援や店舗の告知などで、縦に長い幕が使われているのを目にしたことはありませんか?このように縦向きで使われる横断幕は、一般的に「懸垂幕(けんすいまく)」や「垂れ幕」と呼ばれます。この章では、これらの基本的な違いや特徴について解説します。
懸垂幕・垂れ幕・縦型横断幕の違いとは?
結論から言うと、「懸垂幕」「垂れ幕」「縦型横断幕」に厳密な定義の違いはなく、ほとんど同じものを指す言葉として使われています。ただし、使われる場面や文脈によって、以下のようなニュアンスの違いで使い分けられることがあります。
名称 |
主な意味・ニュアンス |
使用シーンの例 |
懸垂幕 |
建物の上部から吊り下げて垂らす幕。比較的大きなサイズのものを指すことが多いです。 |
デパートの壁面広告、市役所のイベント告知、マンションの入居者募集など |
垂れ幕 |
懸垂幕とほぼ同義ですが、より広い意味で使われます。吊り下げるだけでなく、フェンスなどに掲示する縦長の幕も含まれます。 |
学校の祝賀メッセージ(「祝 全国大会出場」など)、商店街の装飾、イベント会場の案内など |
縦型横断幕 |
横断幕を製作する会社などが、お客様に分かりやすく伝えるために使う表現です。横断幕の用途で縦長の形状を希望する場合に使われます。 |
スポーツ応援、展示会ブースの装飾、個人の応援幕など |
このように、呼び方が違うだけで指しているものはほぼ同じです。この記事では、お客様にとって分かりやすい「縦向きの横断幕」という表現を使いながら解説を進めていきます。
縦型横断幕が使われる主なシーンと特徴
縦向きの横断幕は、その形状を活かして様々なシーンで活躍します。横長の横断幕とは異なる特徴があり、設置場所や目的に合わせて選ばれています。
【主な使用シーン】
- 商業施設・店舗:デパートやショッピングモールの壁面を使った、セールやイベントの告知。
- 学校・公共施設:校舎や体育館の壁面に掲示する、全国大会出場といった祝賀メッセージや式典の案内。
- スポーツ応援:スタジアムのフェンスや観客席から、特定の選手やチームを応援するために掲示。
- イベント・展示会:限られたスペースであるブースの柱や壁面を有効活用した装飾や案内表示。
- 建設・工事現場:安全スローガンや企業広告、工事内容の案内などを掲示。
【縦型ならではの特徴】
縦向きの横断幕には、横長のものにはない以下のようなメリットがあります。
- 省スペースで設置可能:横幅を取らないため、柱や壁面のわずかなスペース、通路脇など、横断幕が設置できない場所にも掲示できます。
- 視線を誘導しやすい:縦長のレイアウトは人の視線を自然に上下に動かすため、高い場所にあっても内容を認識しやすく、遠くからでも目立ちます。
- ダイナミックな表現:ビルの壁面など高さを最大限に活かすことで、非常にインパクトのある広告やメッセージを発信できます。
遠くからでもバッチリ目立つ!視線を集める懸垂幕・垂れ幕はこちらhttps://makuo.co.jp/scene_tentou/
縦向きで使う横断幕の一般的なサイズと決め方!
縦向き横断幕によく使われるサイズとは?
縦向き横断幕には厳密な規格サイズはありませんが、用途ごとによく注文される人気のサイズが存在します。設置したい場所や目的に合わせて、以下の表を参考に寸法のイメージを掴んでみましょう。
用途・シーン |
一般的なサイズ(縦 × 横) |
特徴 |
スポーツ応援(個人・チーム) |
120cm × 90cm 180cm × 120cm |
手で持ったり、フェンスに掲示したりしやすいサイズ。選手名やスローガンを大きく見せられます。 |
店舗のセール告知・イベント案内 |
180cm × 60cm 240cm × 90cm |
店舗の壁面や窓、商店街のアーケードなど、限られたスペースでも効果的にアピールできる縦長のサイズです。 |
百貨店・商業施設の壁面広告 |
500cm × 120cm 1000cm × 150cm |
建物の高さを活かした大型サイズ。遠くからでも視認性が高く、インパクトのある広告展開が可能です。 |
商店街の街灯フラッグ |
150cm × 45cm 180cm × 60cm |
街灯のポールに取り付けることを想定した、比較的細長いサイズ。連続して設置することで、街全体の統一感を演出します。 |
これらのサイズはあくまで一例です。横断幕は1cm単位で自由にサイズを指定できる場合がほとんどなので、設置場所に合わせたオーダーメイドが基本となります。
設置場所に合わせたサイズ選びのポイント
横断幕のサイズを決める上で最も重要なのは「どこに、どのように設置するか」です。サイズ選びで失敗しないために、以下のポイントを事前に確認しましょう。
まず、メジャーを使って設置予定場所の縦と横の寸法を正確に計測します。横断幕を固定するためのロープを結ぶスペース(上下左右に各10cm〜20cm程度)も考慮し、計測したスペースよりも少し小さめのサイズで製作するのがおすすめです。
また、屋外に設置する場合は、地方自治体の「屋外広告物条例」によって掲示できるサイズに制限がある場合があります。特に大きなサイズの横断幕を検討している際は、事前に管轄の役所へ確認しておくと安心です。
見やすい縦横比率の考え方
メッセージを効果的に伝え、美しい見た目の横断幕を作るには「縦横の比率」も重要です。縦長の懸垂幕や垂れ幕でよく用いられる、見やすいとされる比率の目安をご紹介します。
縦横比率(縦:横) |
印象と特徴 |
3:1 ~ 4:1 |
比較的安定感のある比率。文字だけでなく、写真やイラストを入れるレイアウトにも適しており、バランスの取れたデザインが可能です。 |
5:1 ~ 7:1 |
シャープでスタイリッシュな印象を与える縦長の比率です。「SALE」や「祝・全国大会出場」など、短いキャッチコピーを一行で力強く見せたい場合に最適です。 |
8:1 以上 |
非常に細長い比率で、ビルの壁面や工事現場の足場など、特殊な環境で使われます。特定のキーワードやシンボルを縦に配置するデザインに向いています。 |
デザインのラフ案を描きながら、どの比率が最もメッセージを伝えやすいか検討してみましょう。
【用途別】縦向きの横断幕におすすめ生地の選び方
屋外に強い!風や雨に耐える生地「ターポリン」
屋外に長期間設置する縦向き横断幕には、最も定番の「ターポリン」がおすすめです。ポリエステル製の布を塩化ビニールで挟んだ、テントにも使われる丈夫な生地で、優れた耐久性と耐水性を誇ります。雨や汚れに強く、印刷の発色も鮮やかなため、ビルの壁面や工事現場の足場、常設の店舗看板など、あらゆる屋外シーンで活躍します。
ただし、ビニール素材で風を通さないため、風が強い場所に設置する際は注意が必要です。重さがあるため、しっかりと固定できる場所での使用が前提となります。
もっと風に強い「メッシュターポリン」
ターポリン生地に無数の小さな穴を開けることで、風を逃がす加工を施したのが「メッシュターポリン」です。強風が吹きやすい高所やフェンス、建物の壁面など、風圧による破損が心配な場所に最適です。通常のターポリンより軽量になるため、設置作業の負担も軽減できます。穴が開いている分、印刷の細かさや色の鮮やかさは若干劣りますが、遠くから見る分にはほとんど気になりません。
屋内での使用や短期利用向け!軽くて発色のいい「トロマット」
屋内でのイベントや展示会、学会発表、店舗内の装飾などには、布素材の「トロマット」が適しています。軽量で柔らかく、折りたたんで簡単に持ち運べる手軽さが魅力です。インクのノリが良く、写真やイラストもきれいに表現できます。また、表面がマットな質感で光を反射しにくいため、記者会見の背景や写真撮影の背景としても人気があります。屋外でも短期的な利用であれば問題なく使用できます。
コスパと持ち運びやすさ重視「テトロンポンジ」
「テトロンポンジ」は、街でよく見かける「のぼり旗」に使われている、薄くて非常に軽いポリエステル系の生地です。最大のメリットは価格の安さで、コストを抑えたい場合に最適です。スポーツの応援幕や、短期間のイベント告知など、持ち運びやすさと手軽さを重視するシーンで重宝されます。薄手のため裏側にもデザインが透けやすい(裏抜けが良い)という特徴もありますが、耐久性は他の生地に劣るため、長期の屋外常設には向きません。
生地の種類 |
主な用途 |
耐久性 |
耐水性 |
軽さ |
価格 |
ターポリン |
屋外常設(ビル壁面、店舗看板など) |
◎ |
◎ |
△ |
〇 |
メッシュターポリン |
風の強い屋外(高所、フェンスなど) |
〇 |
◎ |
〇 |
〇 |
トロマット |
屋内(展示会、記者会見)、短期屋外 |
△ |
△ |
◎ |
△ |
テトロンポンジ |
短期イベント、応援幕、のぼり旗 |
× |
× |
◎ |
◎ |
パッと目に入る縦向き横断幕を作る3つのデザインポイント
① 文字の向きは縦書きor横書き?目的に合わせた方向の選び方
縦向きの横断幕では、文字を「縦書き」にするか「横書き」にするかで、与える印象や情報の伝わりやすさが大きく変わります。それぞれの特徴を理解し、横断幕の目的や内容に合わせて最適な向きを選びましょう。
文字の向き |
メリット |
デメリット |
適した用途の例 |
縦書き |
日本語として自然で読みやすい 力強く、伝統的な印象を与える 縦長のスペースを有効活用できる |
アルファベットや数字が読みにくくなることがある |
スポーツ応援(「必勝」「祝 全国大会出場」)、神社ののぼり、和風店舗のメニュー、イベント名 |
横書き |
アルファベット、数字、URL、電話番号などが分かりやすい 現代的でスタイリッシュな印象になる |
1行あたりの文字数が少なくなり、改行が多くなる場合がある |
セール告知(「SALE 50%OFF」)、店舗名と電話番号、Webサイトへの誘導、スローガン |
伝えたい内容にアルファベットや数字が多く含まれる場合は横書き、漢字やひらがな中心で力強いメッセージを伝えたい場合は縦書きがおすすめです。
② 文字サイズと行間のバランスで視認性を高めるコツ
横断幕は遠くから見られることが多いため、文字がはっきりと読める「視認性」が非常に重要です。文字のサイズと行間(行と行の間隔)を適切に調整することで、格段に見やすいデザインになります。
文字の大きさは、横断幕を設置する場所から見る人までの距離を基準に考えましょう。一般的に「文字の高さ(cm) × 100」が、その文字を判読できる最大距離の目安とされています。例えば、30m離れた場所からでも読んでほしい場合、文字の高さは最低でも30cm程度必要になります。
また、最も伝えたいキャッチコピーやチーム名は大きく、補足情報は少し小さくするなど、文字サイズに強弱をつけると、重要な情報が瞬時に伝わりやすくなります。行間や文字間は、詰めすぎると窮屈で読みにくく、空けすぎると間延びしてしまいます。文字の高さの50%〜100%程度を行間の目安とし、適度な余白を持たせることで、スッキリと読みやすいレイアウトになります。フォントは、遠くからでも認識しやすいゴシック体がおすすめです。
③ 色の組み合わせで印象が変わる!目を引く配色のコツ
配色は横断幕全体の印象を決定づける重要な要素です。人の目を引き、内容を正確に伝えるためには、色の組み合わせ、特に「コントラスト(明度差)」を意識することが大切です。
背景色と文字色の明るさに差をつけることで、文字が背景に埋もれることなく、くっきりと浮かび上がります。例えば、「黄地に黒文字」や「白地に赤文字」などは、コントラストが強く、非常に視認性が高い組み合わせです。逆に、「黄地に白文字」や「赤地に青文字」などは、色の明るさが近かったり、色が干渉しあったりして読みにくくなるため避けた方がよいでしょう。
以下に、視認性の高い配色の例を挙げます。
- 白地 × 黒文字、赤文字、青文字
- 黄地 × 黒文字、赤文字
- 黒地 × 白文字、黄文字
- 青地 × 白文字、黄文字
- 赤地 × 白文字、黄文字
応援するチームのカラーや、お店のブランドイメージに合わせつつ、見やすい色の組み合わせを選びましょう。
写真やロゴを入れるときの注意点とレイアウト例
文字だけでなく写真やロゴを入れることで、よりオリジナリティが高く、訴求力のある横断幕になります。ただし、いくつか注意点があります。
まず、使用する画像は「高解像度」のものを用意してください。横断幕はサイズが大きいため、スマートフォンで撮影した写真やWebサイトから保存したような小さな画像を無理に引き伸ばすと、画質が荒くなり、ぼやけた仕上がりになってしまいます。印刷会社が推奨する解像度を確認し、できるだけ大きなデータを入稿しましょう。
レイアウトを考える際は、人の視線が自然と上から下へ流れることを意識します。伝えたい情報の優先順位に合わせて、以下のように配置するのが一般的です。
- 上部:ロゴ、写真、一番目立たせたいシンボル
- 中央部:最も伝えたいキャッチコピーやメッセージ
- 下部:チーム名、店舗名、連絡先などの補足情報
要素を詰め込みすぎず、余白を活かしてスッキリと配置することが、見やすいデザインのコツです。また、使用する写真やイラスト、ロゴは、著作権や肖像権を侵害しないよう、必ず権利を確認してから使用してください。
縦向き横断幕の注文から設置までにやることまとめ
デザインや生地が決まったら、いよいよ注文と設置の準備です。理想の縦向き横断幕をスムーズに手に入れ、効果的に掲示するために、注文から設置までの具体的な流れと注意点を解説します。
横断幕の注文の流れと入稿データの注意点
サイズの確定やデザインデータを入稿した後は、印刷会社が内容をチェックし、不備がなければ印刷工程へと進みます。
納期は通常5〜7営業日ほどが目安ですが、混雑時や大判サイズの場合は余裕をもって手配するのがおすすめです。特急対応が可能な業者もあるため、納期が迫っている場合は事前に確認しておきましょう。
遠くからでもバッチリ目立つ!視線を集める懸垂幕・垂れ幕はこちらhttps://makuo.co.jp/scene_tentou/
また、多くの印刷会社では、ウェブサイトから簡単に見積もりや注文ができます。注文を確定させた後、作成したデザインデータを入稿するのが一般的な流れです。データ入稿でつまずかないよう、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
チェック項目 |
注意点と説明 |
対応ファイル形式 |
Adobe Illustrator(ai形式)やPhotoshop(psd形式)が一般的です。PDF形式に対応している業者も多いですが、事前に公式サイトで確認しましょう。 |
カラーモード |
印刷用のデータは必ず「CMYK」カラーで作成します。パソコンの画面で使われる「RGB」カラーのままだと、仕上がりの色味がくすんでしまう原因になります。 |
解像度 |
原寸サイズで150dpi〜200dpiが推奨されます。解像度が低いと、文字や画像がぼやけたり、粗く印刷されたりする可能性があります。 |
フォントのアウトライン化 |
デザインに使用した文字が、別のパソコンで開いた際に違うフォントに置き換わってしまう「文字化け」を防ぐための必須作業です。入稿前に必ず行いましょう。 |
塗り足し |
仕上がりサイズの外側まで背景色や画像を伸ばしておく領域のことです。裁断時のズレでフチに白地が出ないようにするために、通常は上下左右に数cmの塗り足しが必要です。 |
設置場所に応じた掲示方法と必要な備品とは?
縦向きの横断幕は、風の影響を受けやすいため、設置場所に合わせてしっかりと固定することが重要です。安全かつきれいに見せるための代表的な掲示方法と、それに必要な備品をまとめました。注文時に必要な「ハトメ加工」や「上下袋加工」なども合わせて検討しましょう。
設置場所 |
主な掲示方法 |
必要な備品・加工 |
フェンス・金網 |
幕の四隅や辺にあるハトメ(金属の穴)にロープや結束バンドを通して固定します。 |
ハトメ加工、ロープ、結束バンド(耐候性の高い屋外用がおすすめ) |
建物の壁面 |
壁面にアンカーなどを打ち込み、ワイヤーと幕を繋いで固定します。専門業者による施工が必要な場合が多いです。 |
ハトメ加工、ワイヤー、壁面取り付け用金具 |
店舗の軒先・柱 |
上下を袋状に縫製し、ポールやパイプを通して設置します。風で揺れにくいのが特徴です。 |
上下袋加工(棒袋縫い)、突っ張り棒、パイプ、ロープ |
イベント会場・屋内 |
持ち運び可能な懸垂幕専用のスタンドを使用して自立させます。設置や移動が簡単です。 |
上下袋加工、懸垂幕用スタンド、ウェイト(重り) |
特に屋外では、風によるバタつきを抑えるために、幕の下辺にウェイト(重り)を取り付けるとより安定します。安全に配慮し、設置場所のルールや規約を必ず守って掲示してください。
まとめ
縦型の横断幕を効果的に活用するには、使用シーンに合ったサイズや生地を選ぶことが大切です。屋外なら耐久性の高い素材、屋内なら発色重視の素材など、用途に合わせた判断が求められます。また、文字の配置や配色など、デザインの工夫によって視認性も大きく変わります。
本記事でご紹介した内容を参考に、設置場所や目的に合った縦型横断幕を安心してご準備いただければと幸いです。
懸垂幕・垂れ幕の購入をご検討中の方や、デザイン・設置についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたの理想に合ったご提案や製作を、専門スタッフが丁寧にサポートします。